Ⅰ「まちむら式」身体調和支援

「まちむら式」の身体調和支援は、つばめ療育館のコンサルタント業務をお願いしている保健師の町村純子氏(前橋市)が開発された手法です。子どもたちの姿勢や言動で発達の遅れなどを見極め、心身発達の改善を目指すための調和支援です。無理にひねる、もむという行為ではなく、筋肉の状態を確認しながらやさしくなでるものです。身体の筋緊張やアイコンタクトの取り難さ、肩甲帯の左右差などの不調和を調整し、血液・リンパの流れをよくすることに加えて、生活しやすい体・動きやすい体をつくることを目的としています。(つばめ療育館/事業管理者/野瀨清一)

Ⅱ「感覚統合療法」

つばめ療育館の作業療法士が、感覚統合療法を用いた発達支援サービスを提供します。感覚統合療法とは、人間の持つあらゆる感覚を調整し、適切な反応や行動に移せるようにするための療法です。人間の持つあらゆる感覚には、味覚・臭覚・視覚・聴覚・固有受容覚(筋肉や関節からの感覚)・前庭覚(身体の傾きやスピードを感知)などがあります。これらの連携プレーがうまくいかないと、発達障害(学習障害、自閉症、注意欠陥多動性障害など)の要因となるリスクが高まります。感覚統合療法は、アメリカのエアーズという作業療法士が学習障害児のために開発した治療法です。日本では、約30年前に導入され、発達障害などの治療に応用されています。具体的な手法としては、遊具(ハンモック、ブランコ、トランポリンなど)を用いながら、子どもたちの遊びを通して感覚の統合を促していきます。子どもたちがこの療法を(遊び)を繰り返していくことで、適度な挑戦心や達成感が得られ、情緒的な安定や身体のイメージを作る感覚が養われます。(つばめ療育館/作業療法士/齋藤麻衣子)

Ⅲ「言語聴覚療法」

自閉症の診断を受けたお子様の特性として、言葉や発音の遅れが指摘されています。つばめ療育館の言語聴覚士が、専門的な療法で言葉の指導などを行います。初めに、お子様の言葉の状況を把握するための評価を行い、支援プログラムを作成します。個別支援ルームで絵カードなどを使いながら言葉の発達を促していきます。もし一定時間椅子に座っていられない場合は、座っていられる練習から始めます。言語聴覚療法は、すぐに劇的な効果が出るわけではありませんが、続けていけば着実に成果が見られます。身体調和、感覚統合と合わせたプログラムで行っていければより効果が増すと思います。(つばめ療育館/言語聴覚士/本多蘭)

Ⅳ「自由にお遊びタイム」

つばめ療育館は、子どもたちから自由に思いっきり遊んでもらう時間帯を設けています。障害の根幹を改善を目指す「まちむら式」身体調和支援、作業療法士による「感覚統合療法」、「言語聴覚士による言語聴覚療法」の効率を上げるためでもあります。メリハリのある時間の活用は、発達支援のサービス効果を向上させてくれるものと捉えています。子どもたちから自由に選んでもらう遊びのなかに、「卓球」があります。日本体育協会公認コーチ(卓球)の田巻賢太郎さん(燕市吉田神田町)が、教えに来てくださいます。田巻さんは、卓球のメリットを次のように言われます。卓球は、まず安全で手軽にできるスポーツです。幼年期から、遊びながらいろんな可能性を引き出すことができます。例えば、①ボールの回転を考えながらプレーすることで、脳の活性化・判断能力の向上が期待できる。②動体視力・反射神経・予測能力・集中力が鍛えられる。③勝負勘や勝負強さが身に付く。④相手を思いやったり、相手を尊重するスポーツマンシップが身に付く。などです。卓球は、毎週水曜日の午後4時~午後6時に教えてもらえる予定になっています。(つばめ療育館/事業管理者/野瀨清一)

Ⅴ「個別課題=家でもできることをお母さん(ご家族様)にお伝えします。」

つばめ療育館では、Ⅰ~Ⅳの発達支援サービスを通して、子どもたちがどんどん成長してくれると信じています。そして、障害が改善されるだけでなく、一人ひとりが持っている長所を見つけ伸ばしていけることを信じています。お母さん(ご家族)の想いを尊重しつつ、スタッフの専門的な気づきをお伝えします。家でもやれることを共に考え実行することができれば、効果は倍増するはずです。この考えは、子どもたちが通う保育園や幼稚園、学校でも同じです。つばめ療育館が行う児童発達支援事業と放課後等デイサービス事業では、事業所のスタッフと園・校の先生方が定期的に支援方針の申し合わせを行い、発達支援の効果を高め合うことになっています。(つばめ療育館/事業管理者/野瀨清一)